2013/04/11

[アジャイル]具現化させる(開始時に実施すること③) 

アジャイルサムライ(要約) その5

1.解決案を描く

ここでやる事は基本的には下記3つ
  • どんな風にシステムを構築しようとしているのか図で伝える(使用するOSSなども検討)
  • どこにリスクがあるのかを明確にする
  • みんながその解決策に同意しているかを確認
これらの利点として
  • ツールや技術に抱く期待をマネジメントできる
  • 想定しているプロジェクトの境界とスコープを目で見て確認できる
  • リスクを伝えられる

2.夜も眠れなくなるような問題はなんだろう?

「見積もりは楽観的になりすぎではないだろうか」、「顧客はころころ心変わりするんじゃないだろうか」などお馴染みの眠れなくなるような問題は多い。
次に挙げる条件が1つでも当てはまれば潤滑にプロジェクトは進まない。
  • チームが同じ仕事場にいない
  • 顧客を巻き込めない
  • 自分の開発環境をコントロールできない
  • その他、プロジェクトを成功させるために必要だと思うものが何かしら揃っていない
プロジェクトのリスクについて早めに話し合う事の利点
  • プロジェクトの課題を早い段階で明らかにできる
  • 「いや、その理屈はおかしい」と表明するチャンス
  • 単純に気持ちがすっきりする
またチームにとって取り組む値打ちのあるリスクを見極める (世の中の不景気などは当プロジェクトで取り組む値打ちはない。低スペックな開発マシンしか揃わないなど検討が必要なリスクを見極める)

3.期間を見極める

ざっくりしたタイムライン(開発、テスト、トレーニング)を作成しリリースまでの期間を見極める。 また期間が長ければ長いほど顧客の細々した要望が出てきてリスクは増加する。できる限り小さな制御できる単位に分離する。 しかしこれは最善を尽くした当てずっぽうでしかない。またこの見通しをステークホルダーに提案する際に2つの選択肢がある。
  • 期日を軸にしてユーザーリストを調整する
  • 期日に幅を持たせて中核をなすユーザリストをコミットメントする
またこの提案はきちんと検証できていない仮決めだということ。検証後に計画へとフィードバックしていく。

4.何を諦めるのかはっきりさせる

時間、予算、品質、スコープの4つの内、柔軟に変更が可能なのはスコープのみ。
ただし「遊んでも楽しくないゲーム」、「交際相手をみつけられない出会い系サイト」では意味がない。
こうした「捉えどころのないもの」を含め、トレードオフ・スライダーを作成して視覚化し、どれが本当に顧客にとって重要なのか理解する事が大事。

5.何がどれだけ必要なのか

これまでの事を踏まえ、期間、費用の事を考える。顧客に対して具体的な説明をする。(こんなチームで、こういう計画で、これだけ費用が掛かりそうなど)
顧客に対して、アジャイルプロジェクトへ参加するという事に対してお客さん自身が覚悟できているかを確かめる。
  • プロジェクトのために時間を取れるか
  • 必要な決定権を持っているか
  • 自分がこのプロジェクトとというバスの「運転手」になることも辞さない構えか
また結局のところステークホルダーが欲しい答えは、いつ完了するか?、いくらかかるか?の2つ。
但し、期日、金額は今この時点では100%のコミットメントはできないということ。(いい線いってる当てずっぽうくらい)
・INDEX
アジャイルサムライ(要約)その1「ざっくり分かるアジャイル開発」
アジャイルサムライ(要約)その2「アジャイルチームのあり方」
アジャイルサムライ(要約)その3「プロジェクトの方向づけ(開始時に実施すること①)」
アジャイルサムライ(要約)その4「全体像をとらえる(開始時に実施すること②)」
アジャイルサムライ(要約)その5「具現化させる(開始時に実施すること③)」
アジャイルサムライ(要約)その6「ユーザーストーリーを集める」
アジャイルサムライ(要約)その7「見積り:当てずっぽうの奥義」
アジャイルサムライ(要約)その8「アジャイルな計画作り:現実と向き合う」
アジャイルサムライ(要約)その9「イテレーションの運営:実現させる」
アジャイルサムライ(要約)その10「アジャイルな意思疎通の作戦」
アジャイルサムライ(要約)その11「現場の状況を目に見えるようにする」

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